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漆器のお椀は電子レンジで使えません。

電子レンジで温めて塗りが剥げたお椀
電子レンジで温めて塗りが剥げたお椀

漆器のお椀にお汁を入れて電子レンジで温めるのはNG!

 

「お汁を入れたお椀を電子レンジで温めたら、塗りが剥げてしまったんです。修理できますか?」

 

こんなお問い合わせを時々いただきます。

 

確かに、最近では電子レンジ対応のお椀って販売されてるかもしれません。

なんの知識もなければ、お汁を温めるために電子レンジでチン!とやってしまいがちです。

 

世の中で売られているほとんどのお椀は、電子レンジ対応ではありません。

 

写真のお椀は、木製の漆塗りのお椀で、底の部分は丈夫に使えるように布が貼られていました。電子レンジで温めたら、布ごと剥がれて生地が見えてしまったのです。

 

木製の漆塗りの汁椀は決して安くありませんし、大事に使っていたものがこんなことになったらとても悲しいですね。

 

 

 

剥げてしまったお椀は修理できるの?

塗り直し修理をして、元のようなお椀に仕上げることはできますが、修理代がどのくらいかかるかで新品を買った方が良くなる場合もありますし、塗り直した方が良い場合もありますのでケースバイケースです。

 

写真のような剥がれ方をしている場合、剥がれかかっている漆の部分をとにかく全部取らなくてはいけません。漆が全部きれいにとれてしまったほうが直しやすいのですが、そんなに簡単には剥がれませんので、平らにする手間なども余計にかかってくるのです。

 

私たちは、お客様のご負担が少なく済むようなるべく的確なアドバイスができるよう心がけておりますが、お客様のモノに対する想いもありますので、一緒に考えていけたらいいなと思っています。

 

 

 

電子レンジ以外に気をつけたいこと

以前にも書いているかと思いますが、漆器のお椀を使うにあたって他に気をつけてほしいなという点は以下のようなことです。

 

  • 食器洗浄機で使わないでください。※食器洗浄機対応商品は除く (変色、はがれ、変形の原因になります。)
  • 直射日光が当たるところに保管しないでください。(変色の原因になります。)
  • 洗う際は、なるべく柔らかいスポンジで食器用中性洗剤を使い優しく洗ってください。ぬるま湯で洗うのが理想です。(油分もきれいにとれて、乾きもはやいため。)
  • 木製のお椀は、長い間水に浸さないでください。

 

 

他に、漆が塗りたてで仕上がって間もないお椀に関しての注意点として、

 

  • できれば半年くらいそのまま保管してください。漆は、時間をかけてしっかり乾き丈夫になっていきます。色も徐々に明るくなり、艶もでてきます。

 

なんでもそうだと思いますが、日頃のお手入れ一つで永く使える漆のお椀ですので、大切にお使い下さいね。