代々受け継がれた木製食器 八重椀


東京都、N様より 

 

外箱に文政○○年と書かれていたという八十椀の修理の御依頼をいただきました。

約200年前から代々受け継がれているお椀なのでしょう。

 

電話でのお問い合わせをいただきまして、数もあるのでまずは見積もりからお願いしたいということでした。

 

 


修理前の状態

お電話いただいた際に、一番傷みのひどいと思われるものを種類別にひとつづつ送ってくださいとお願いしました。

上の写真が送っていただいたものです。

 

これでまずは見積もりから。

 

飯椀のフタと身、汁椀のフタと身、坪椀のフタと身、平椀のフタと身、全部で8種類の形状があります。8種類の形状で八十椀と云われています。

 

見積もり金額を確認していただいて残りのお椀を送っていただきました。

 

送られてきたお椀です。


修理完成後

相当古いお椀だけあって、上塗りをするまでの工程で結構手間取ったと職人は申しておりました。一度塗ってもはじいてしまうものもあり、何度か塗り重ねないと上手く仕上がらないものもあったということです。

 

ひとつひとつ厚みが違ったり、形が変形しているのも御愛嬌で、歴史を感じる八十椀。これからも代々受け継がれていくことでしょう。

 

 


今回の修理期間は?

☑ 約2ヶ月


今回の修理費用の目安は?

☑ 一つにつき3,000円

 

■追記

事情により2016年5月以降、古いお椀の全部塗り直し費用はフタ、オヤ関係なく、一つ当たり4,000円(税抜)前後かかります。

詳しくはこちらのブログをご覧ください。


備考

木製漆器は、ヒビがあっても、欠けていても新品同様の修理ができるという利点を改めて感じました。

木製の漆塗りは職人が一つ一つ手間暇かけて仕上げてくれています。本当は新しいものを塗るよりもずっと手間がかかるのです。それでも御依頼いただくお客様に喜んでいただけるよう丁寧な仕事をしてくれているので、頭が下がります。

 

仕上がったお椀の漆の艶を見るたび一種の感動を覚え、これに汁物を入れると美味しいだろうなといつも思うのです。