木質椀の塗替え修理例


東京都 H様よりご依頼いただいたフタ付きの木質椀の塗替え修理です。

 

木質というのは、木製ではなく、樹脂の粉に木の粉を混ぜて型をおこしたものですが、木質にもいろいろ種類があり、今回のお椀は、木質椀の中では一番木の粉の割合が多く含まれている「山本木乾」という木質樹脂製のお椀でした。


修理前

5客揃いのフタ付き吸い物椀で、フタの表には絵が入っています。

 

フタの内側は、漆の色が緑っぽい色に変色しています。

身の方も、内側が緑っぽい色に変色し、すべて漆が剥がれている状態でした。

しかし、フタも身も外側はまったく剥がれていませんでしたので、外側は触らず、内側のみの塗替え修理となりました。

 

ここで、手塗り漆か塗装かという選択なのですが、今回は木質系に強い新耐塗装をお勧めしました。

(山本木乾に詳しい塗り師が、より丈夫に塗りあげてくれるため、責任を持って修理ができるということもありました。)

木質系樹脂の製品は、普通のウレタン塗装では密着も悪く、飾って使うものならいいのですが、食器として使うならば専用の塗装加工を施さなければいけません。

 

材質によって、塗料との密着の問題もあるので、塗料の価格により、当然仕上がり価格も変わってきます。

 

 


修理後

修理のお椀
修理のお椀

修理工程は、研いで、下塗り、上塗りの3工程。(フタは剥がれていなかったため、研ぎ、上塗りの2工程。)

 

塗装加工なので、仕上がってすぐお使いいただけます。

また、漆と違って、お湯を入れても色が変色することはないでしょう。

 


修理期間

 □ 約20日間


修理費用の目安

 □ 1,000円前後

 ※もし、漆塗りで同じような塗替え修理する場合は、3,000円から4,000円。

 ※修理費用は物によって一つ一つ異なりますので、あくまでも参考になさってください。


備考

 今回のお椀を職人さんに見せたところ、「これは山本木乾で、木の粉がたくさん入った木に一番近い樹脂だ」とすぐに教えてくれました。

 私にはそこまでの知識がなかったため、とても勉強になりました。今回のことに限らず、修理品のおかげで毎回毎回勉強させてもらっているようなものですが・・・

 木製・樹脂製・漆塗り・塗装塗り・・・いろんな分野の専門の職人さんがここ河和田にいてくれるのは本当に有難いことです。

 

H様、ご依頼ありがとうございました。