木製漆塗り重箱の取り扱いで未然に防ぎたい5つのトラブル

当社への修理のご相談が一番多いのが、漆塗りの重箱です。

塗り物は、使っていれば剥げていくのは宿命だと思います。特に食器のようにお料理を盛りつけたりするような器は使えば使うほど傷もできるでしょうし、剥げていくのが当たり前です。

 

このような理由で修理のご依頼をいただくことは一番多いのですが、未然に防げるちょっとしたトラブルでの修理というのも少なくありません。

トラブルその1 重箱を電子レンジでチンしてしまった。

木製漆塗りの重箱は、電子レンジに対応していません。

電子レンジはおろか、食器洗浄機にも対応していません。

 

これは木製にかぎらず、樹脂製の重箱も同じように対応していないものがほとんどです。

 

買ったばかりで、品質表示や取り扱いの注意書きなどで食器洗浄機や電子レンジでは使えないと書かれていれば、そのようなトラブルは未然に防ぐことができますが、永年お使いのものなどは、取り扱いの注意書きなどがついていないことでしょう。

 

私も結婚したての若いころ、陶器のお皿を電子レンジに入れて失敗した経験があります。それは、結婚祝いにいただいたお皿で金色に縁取りされたものでした。電子レンジに入れて温めていたところ、パチパチパチと音がしていると思って開けてみると、金の縁取りの部分が焦げてしまったのです。この失敗で、金を使っている器は電子レンジで使えないということを知りました。

 

重箱も本金蒔絵で縁取りされたものがありますが、誤って電子レンジに入れると金の部分はおろか木まで焦げてしまいますので、絶対に電子レンジでは使用しないでください。

トラブルその2 木製の重箱を冷蔵庫に入れて保管した

冷蔵庫に入れて保管するくらいはいいんじゃないの?と思われるかもしれません。

 

樹脂製なら大丈夫ですが、木製は冷蔵庫の使用をオススメできません。

冷蔵庫から出し入れするということは、温度差が激しい環境で酷使するようなものです。寒くなったり暑くなったり急に変わるような状態は、人間でも辛い環境であるように、木製の重箱にも悪い環境であることは間違いありません。

 

すぐにどうこうなるかというとならないかもしれませんが、使い込んだ重箱ですと水分が忍び込んで漆の密着が悪くなったりすることも考えられます。

トラブルその3 誤って落としてしまった

落とそうと思って落とす人はいないと思いますが、このような結果ご依頼いただくこともあるのが事実です。

木製は衝撃に弱いです。

もし持ち歩かなければならない場合は、緩衝材などを利用するなどして最新の注意を払ってください。

トラブルその4 保管が悪くて変色してしまった

漆器は人間と同じで紫外線が大嫌いです。

お日様に当たるような場所に保管することは絶対に避けましょう。

 

重箱は、年に一度しか使わないというご家庭も多いと思いますが、光を遮るようにダンボール箱や化粧箱・木箱などに入れて保管してください。

トラブルその5 洗い方が悪くて傷がついた

漆器は、柔らかいスポンジで優しく洗ってください。洗剤はご家庭用の食器用洗剤をご使用ください。

 

ご飯粒がこびりついてとれないからと、ゴシゴシと強く洗うと表面に傷がついてしまいます。5分ほどぬるま湯につけて、そのあと柔らかいスポンジで優しくこすればたいていは綺麗に取り除くことが出来ます。ここで注意したいのは、あまり長い時間水に浸しておくと、水分がしみこむ可能性もありますので、短時間で洗ってください。

 

洗い終わった後は、水分をなるべく早く拭き取ってください。

木製の漆器は、水分を嫌います。

そのまま洗わないで乾かしておくと、水滴がそのまま跡になってのこってしまいますので、注意してください。

 

 

まとめ

漆器は取り扱いが難しいな〜と感じる方もいらっしゃるでしょう。

 

でも、以上のことを念頭に置いていただければ、最低限のトラブルは防げるはずです。

 

しなくてもいい修理にお金がかからないよう上手にお使いいただければ幸いです。