高蒔絵をそのまま残し、継ぎ足し蒔絵の修理をした重箱修理例

茨城県 T様

 

T様のお宅に眠っていた大正時代の重箱の修理をご依頼いただきました。

みごとな昇り鯉の高蒔絵のついたお重箱です。あまりにもみごとな蒔絵なので、そのまま残す形で重箱として機能を果たすようにとのご依頼でした。

8寸の五段重で蓋が2枚ありました。


■重箱のフタ


フタ表側の修理
フタ表側の修理
フタ内側の修理
フタ内側の修理

一部分に10センチ弱のヒビは入ってました。

●外側は蒔絵の部分にかかっており、ヒビ部分のみ埋めて漆を塗り、蒔絵の流れに沿った蒔絵を施しました

●内側にも同じようにヒビがあったので、内側の朱は全て塗り直し、渕の黒部分も全て塗り直しました。金蒔絵の部分はそのまま残しました。


■重箱の本体


修理前

塗り補修後

蒔絵補修完成


修理前

塗り補修後

蒔絵補修完成


修理前

塗り補修後

蒔絵補修完成


修理前

塗り補修後

蒔絵補修完成


本体の裏側
本体の裏側
本体の内側
本体の内側

五段重で本体それぞれ修理箇所を判別して修理にかかりました。

●本体外側は割れ部分は全て補修→蒔絵を施し、天渕部分は元の金を残したままヒビのあったところだけ金を継ぎ足しました。

●内側はヒビが大きくはいったものや小さなヒビがあったので全て塗り直しました。

●裏側もほとんどにヒビが見られ、また黒漆が経年劣化で色がウルミ色に変色していたので全て塗り直しました。実際表の黒も変色していたのですが、蒔絵を残す為表にヒビがあったところに関しては黒漆ではなく、ウルミがかった漆で補修しました。

■修理完成!

五段重の修理完成
五段重の修理完成

今回の修理期間は?

☑ 約3ヶ月近く


修理費用の目安は?

☑ 約5万5千円~

 

※大きさ、重箱のフタと身の枚数、修理方法で修理費用は変わりますのであくまでも目安としてお考えください。


備考

昔からあるものを大事に使っていただけることが漆器本来の役割です。

昔の職人の技術をそのままに永くお使い頂けるのであればこんなにうれしいことはありません。