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漆器はすべてが漆で塗られているとは限りません

こんにちは、大石です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

早いもので年が明けて半月が経ちました。

 

毎年のことですが、年明けは漆器修理のお問い合わせをたくさんいただいております。年々増えているようですので、漆器修理に関する困りごとをネットで調べていただいている方が多いんだなぁと実感しています。

 

この仕事に携わるようになって、実際使っていらっしゃる方とお話しする機会が増え、そこで感じたことがあるので、今日はそのことについて書きたいと思います。

 

それは、

「漆器=漆で塗ったもの」と思っている方が大半だということです。

 

 

漆の器と書くんですから当然と言えば当然ですよね。

 

しかしながら、実際は、天然の漆ではなく、化学塗装で仕上げたものもたくさん存在しています。素材も木のほか、樹脂に木粉を混ぜた木質樹脂だったり、完全な樹脂(プラスチック)製だったり。

 

先日、探し物でネットで重箱を調べていたところ、木製の漆塗りと書かれているのに、あきらかに安い商品を見つけました。オークション?と思ったのですが、そうではなさそう。

よくよく調べてみると、どう考えても木質樹脂製の重箱でした。

たまたま表示を間違えたという場合もあるのですが、一般の人がこれを木製だと勘違いして購入するかもしれないと思うと、すごく気の毒です。

 

それから、漆塗りといっても、刷毛を使って塗る手塗りもあれば、生漆を拭く拭き漆もあれば、吹付け塗装の漆塗りもあるわけで、言葉にすればすべて「漆塗り」なんです。手間や作業方法の違いで価格が変わります。

 

産地によっては、工程も違いますから。

 

また、中国などの海外で生産されたもの、国内で生産されたものでも価格は違ってきます。

 

 

もし、あきらかに安いなぁと感じた場合は、まずなぜ安いのか疑ってみるのがいいのかもしれません。

買われる前に、お店の人に問い合わせてみるのも一つです。

もちろん、かなりの掘り出し物であれば、それはそれでとてもラッキーなことですね!