鎌倉彫りの文箱の修理例

北海道 T様よりご依頼いただいた修理事例です。

半世紀以上前の鎌倉彫りの文箱を複数持ってらっしゃるそうですが、どれも修理をしないと使えず、物入の奥に放置されていたそうです。

今回ご依頼いただいたのは、一辺が取れてなくなってしまった文箱でした。

 

 

修理前

蓋の一辺が取れてなくなった鎌倉彫りの文箱
蓋の一辺が取れてなくなった鎌倉彫りの文箱

お客様は、まず、鎌倉彫の産地に修理が出来るかどうか尋ねられたそうですが、修理不能、または修理費用がかなりのものだったそうです。

他にも、合成塗装のお店に問い合わせをされたとのことですが、合成塗装の修理に抵抗があり、修理依頼には至らなかったということでした。

その後、私たちにお問い合わせをいただきました。

 

鎌倉彫りの技法は独特で、こちら越前漆器産地の職人が持っている技術ではないため、当然同じように仕上げることはできません。

 

ですので、こちらの職人が持つ技術で可能なことを説明し、見積もらせていただきました。

※ご希望のご予算もおありでしたので、その予算内で出来ることを提示しました。

 

こちらの見積もり内容にご了承いただき、修理をすすめることになりました。

 

途中経過

側面に板を貼った写真

 

修理後

板を貼った後、漆塗りを施して仕上げています。

仕上がってきて驚きました!

というのも、見積もり当初、文箱の茶色がかった赤に近い色の無地で塗って完成の予定だったのが、仕上がりはまるで彫ってあるかのような風合いの模様になっていたのです。

魚の鱗のような模様が描かれており、あまり違和感を感じませんでした。

というより、器用な職人技に感心しました。

ただ、お客様には無地一色で仕上がると伝えてあっただけに、違った仕上がりになってしまい、どう思われるだろうと写真を送って確認したところ、逆に喜んでくださったので安心しました。

 

 

文箱の蓋の内側です。

元々和紙が張られていたのですが、側面の内側がボロボロだったため、手持ちの越前和紙をサービスで貼らせてもらっていいですか?と確認したところ、快諾いただいたので、元々の風合いとは違いますが、貼らせていただきました。

 

余談ですが、福井県鯖江市、越前市、越前町は越前漆器、越前和紙、越前打ち刃物、越前焼といった伝統工芸のモノづくりが盛んな地域です。

それぞれに体験工房などもありますので、伝統工芸を巡る観光がお勧めです。

 

 

■今回の修理費用の目安は?

10,000円~15,000円

 

■今回の修理期間は?

約4ヶ月