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お膳と盃の修理

京都府 I様よりご依頼いただいた足付角膳と盃の修理事例です。

修理前お膳の状態


お膳は内側にもヒビがあり、足はひとつ取れて剥がれもありました。

修理は、脚の接着をして、全て塗り直すことにしたのですが、天渕の金は極力残すことにしました。

 

金は本金を使って蒔く(本金蒔絵)ので、使う量でかなり修理費用が変わります。

もちろん全て蒔き直したほうがきれいに仕上がるのですが、費用の面や金の状態を含めて検討し、部分直しでも対応しております。

ただし、金の状態によって、直した部分の金色が違う場合もあるので、ご納得いただいた上で進めさせていただきます。

修理前の盃の状態


盃は1カ所が欠けていました。欠けていただけでその他はきれいな状態でしたので、部分修理になりました。

ただ、欠片をつなげてもあと一部分なくなっていました。

 

一部分が欠けてなくなってしまった場合、方法としては別の木で形をつくって付け足す方法と、コクソ漆で成形する方法とがあります。

大きくかけてしまった場合は木を継ぎ足す方がよいのですが、欠け部分がわずかな場合はコクソ漆でもよく、また今回のように蒔絵がかかっている場合は木の継ぎ足しは修理部分を大きくしてしまうのでコクソ漆での成形をお勧めしました。

修理後のお膳


ヒビも埋められ、朱と裏の黒は全て塗り直したので、きれいに仕上がりました。

金渕は部分修理でしたが、元々の金とそれほど変わらない色合いで仕上げられたので、違和感はなかったと思います。

 

 

修理後の盃


欠片の接着、部分成形、部分塗り、蒔絵も部分で再現、裏も部分塗りで仕上げました。

もちろんよく見ると修理した箇所はわかり、元通りとはいきませんが、違和感なく仕上がったと思います。

 

 

余談ですが、今回は修理品を直接お持ちいただきました。

福井と京都はお隣の県とはいえ、ここ鯖江とはかなり距離があります。

もっと遠い所からわざわざおいでいただく方もいらっしゃいます。本当にありがとうございます。

 

もちろん運送便で送られる方が大半で、ほぼ問題なく送られてくるのですが、

もしなにかご旅行で近くに来られる事があれば、お立ち寄りいただけると幸いです。

 

■今回の修理期間は?

約3ヶ月

 

 

■今回の修理費用は?

お膳15,000円ほど、盃3,500円ほど

 

 

■お客様の声をいただきました

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