漆は透明化して明るく変化していくという特長があります。
これを漆の経年変化と呼んでいます。
今までにもブログに書いていると思いますが、
今回は、本朱漆塗りのお椀の比較を写真で説明します。
![本朱漆の経年変化の様子](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s1340f0d65134ae58/image/ieabe3d45c7e54f9c/version/1519195469/image.jpg)
写真は、一人の職人が、同じ本朱漆で塗ったお椀です。
塗って間もないお椀と半年経過したお椀では、色の変化に違いがありますね。
塗りたてと半年経過したお椀の違い
①色
塗りたては、やや黒っぽい朱の色ですが、徐々に漆が透明化していくので、朱の色粉の色がより明るく鮮やかに変化します。
②漆の乾き具合
塗りたては、まだ完全には乾いていない状態です。
手で触るのはもちろん大丈夫ですが、
漆は、時間をかけてゆっくり乾き、より堅く丈夫になっていきます。
完全に乾いていない状態で熱いお汁を入れると、漆の変色を起こしやすく、傷がつきやすいです。
漆が完全に乾くと、傷がつきにくく、変色もしにくくなります。
③漆の臭い
塗って間もないころは、漆独特の臭いが残っていますが、
半年もすれば、臭いは気にならなくなります。
このように、目に見える変化のほかにも、漆の乾き、臭いなどに変化が見られます。
塗って間もない修理品を手に取っていただくことで、天然の漆ならではの変化をお楽しみください。